第五章 アンケートからの質疑応答 

モデルルームの初見学を実現した隆夫妻。アンケートを書き、いよいよ営業マンとのご対面。

「おはようございます。」後ろから営業の人がやってきた。A氏は自己紹介を簡単に行い、早速アンケートに目を通している。30秒で全部読み上げ、すべて理解したような顔で話しを始めた。

「まず、マンション見学が初めてということで、聞きなれない言葉があると思います。遠慮せずに聞いてください。そして、私は家を売るのが仕事ではなく、家を探しているかたに合った住まいを紹介することが仕事です。結婚相談所のマッチングのようなものです。」

「どんな家に住みたいかをまず聞かせてもらいたいと思います。それからお二人の意見を反映した間取りを形にして、ここにある間取り集の中からもいいとこどりをしながら更に理想の住まいを探しましょう。」

「そのためにアンケートを書いていただきました。まずはざっと行きましょう。」

「隆さん、奥様、ご出身はどちらですか?」

急に来た。なぜそれが必要か分からなかったので聞き間違えたかと耳を疑った。「二人とも千葉です」と答えたが、先が読めない。

「そうですか。お付き合いは長いんですか?幼馴染とか。」ときかれたので、よくわかったなと思いながらそう答えた。「話し方から、千葉の人かと思ったんです。私も千葉県出身なので。」そういうと、ケラケラ笑った。「何駅ですか?私は船橋市の北の方です」隆達も習志野市だから隣だ。同郷だとなんだかほっとする。千葉県人となんでわかったのか聞いたら、呼吸が合うからだという。なんとなく話しやすいということ。もう15分前の他人同士ではなかった。

妻も同じで、緊張感が取れていた。同じ人間なんだと思った。

何中学校ですか?知ってます、サッカーの試合で対戦しに行きました。などと共通項が出てくること出てくること。多分一度でなく道ですれ違っていると思う。

「ところで、お二人は今どんな家にすんでいます?何か不便はありますか?」

「そうですね。ちょっと家賃が重いかなとは思っていますが、それほど住みにくいとは思っていませんで・・。」

「それでは、今満足はしているが、このままでは家賃が勿体ないと思っていらっしゃいますか?」

知子「その通りです。友人から同じことを言われてアーっと思って。」

「ご年齢が29歳ですよね。自然とそう感じるタイミングなんです。結婚式やハネムーンや、車を買ったり、比較的大きな出費が終わり、そしていよいよ家なんですよね。違いましたか?」

「よくわかりましたね。」

「みーーーーーーーんなそうですから。」

なぜかにやっとしてしまった。正解だと言われると自信になる。人生の正解はないと聞いたが、今はある気がしてきた。ーA

「やっぱり、子供とかできるかもしれないし、妻は働けなくなるかもしれないし、今しかないと思って来たんですよね。もう少し大きな家に住み替えて、一生暮らせるようなしっかりした地震にも強い家が必要かと思います。」

聞かれていないことを喋りだす夫。楽しそうだが余計なことを言ってくれるなと妻。

「奥様はご主人様と同じお考えですか?」

「はい、概ね。」

「お二人のお話から、どのような家族像が理想なのかわかってきた気がします。子供がいて、夫婦がいて、賑やかで。健康でいられて幸せで。そうすると、家なんてどんなんでもいいですね。」

「いやいや。子供に将来あげられるような資産を残したいと思っています。なんて真面目に答えてしまいましたが。」と隆。結構考えている。

「冗談です。子育てをし、子や孫に資産を残すには新築のマンションがいいと思います。今は高強度コンクリートのマンションが主流で、100年でも持つと言われています。ただ、10年以上前の中古マンションの場合は確認が必要です。普及してそれほど経っていないので高強度コンクリートかどうか疑わしい場合があると思われます。」

「話はそれますが、地震で倒れたりしませんか?」

「はい、こちらは住宅性能評価を取得しており、100年から200年に一度の地震でも倒壊しない程度という評価をもらっています。重要事項説明時に詳しく説明する事項となります。」

難しい言葉が出てきた。聞いても分からないと思うが聞いてみた。

「住宅性能評価というのは、第三者機関の客観的な評価です。小学校でいう期末の通知表みたいな感じでしょうか。取る義務はないです、安心マークだと思ってください。重要事項説明につきましては、住宅を購入するうえで必要なものです。ここは詳しく説明します。住宅はとても高額なので、しっかりと説明を理解したうえで購入しないと一生後悔することにもなります。そこで国は、国家資格に合格した人”宅地建物取引士”の資格保持者により、住宅の説明を声を出し読み上げて説明させることを義務化しました。私もその宅地建物取引士の免許を保有しております。5年ごとに更新され、講習を受け続けないと無くなってしまいます。例えばテレビを買ったときにも説明書が同封されていますよね。それは声に出して店員が読み上げることはないと思いますが、重要事項説明書も同じく説明書なんです。家の場合、2時間くらいかけて説明します。しっかり理解したうえで、正式に契約となります。なので、契約の前に地震のことや洪水、地盤沈下やがけ崩れなど、聞かないといけないことは全てこちらに説明義務があると思っていただけたらと思います。聞かなかったから知らずにマンションを買っちゃいました。ということは基本は無いです。お判りになりましたでしょうか?」

とても分かりやすい説明で、少しわかった気がした。聞くことに慣れ「契約って何ですか」と聞いてみた。

「その前に、買いたくなったら{申し込み}を書いてもらいます。私はこの部屋が買いたい。他の人がこの後にきても、取り置きしておいてね。という書類です。一方的に、弊社に対して購入の意思表示をしてもらいます。そして弊社が売りますよ(当然ですが)と双方合意ができたら契約書を書きます。その間に一つ手続きがあり、ローンの審査をしてもらいます。ローンがちゃんと通り、買えるかどうかの審査です。そして契約となります。スケジュールについては一覧表でお渡ししますね。」

少し覚えきれなくなってきた。また買うときに聞こうと思った。

「契約まではまだ2ステップです。全部で6ステップありまして、今日は覚えられないほどのことがこれから起きます。これは後でも良いと思います。6ステップもありますが、大丈夫です。私が隣に居りますので。」

「今日はお話が少し重い内容が多くなってしまいました。本当は初めてのモデルルームであれば(きれいなお部屋だねえ)と楽しんで帰ってもらえたら十分だと思います。難しいことは後でいいんです。さて、長くなってしまいましたが、これからモデルルームのご案内になります。よろしいですか?明日にします?」

続く

次回は、購入までの流れをまとめてフローチャートでご案内します。そしてそのあといよいよモデルルームへ案内します。

考察

A-みんなと同じです。という言葉。日本人は弱いらしい。総中流階級の名残で、周りと同じことをしていればみな豊かな暮らしができた。今は周りにかかわらず決断していかないといけない。だから個別の資金相談(お金の人生相談)が必要になってくるはずである。それはFP(ファイナンシャルプランナー)が専門。余談だが、住宅の予算を決めるときに会社の同僚にいくらの家を買ったか聞いて予算感を得る人がいるが、親から多大な援助をもらったとか同僚に正直に言わないので、参考になるかどうか、よく考えて自身で判断しましょう。(予算は今後じっくりやります)

第四章 予約してモデルルームにいってみよう 

LIVING

夫妻はいよいよ住宅購入の一歩を踏み出そうとしている。

まずはネットで予約をする。気になるマンションのホームページを見ると、TOPの何処かにほぼ必ず「資料請求」と「来場予約」が目立つように並んでいる。ホームページを出す側としては来場してもらうことが何より重要である。たまにある来場予約ボタンがないHPは、まだ準備中でもう少し待つと出現するだろう。

昔は電話だったと思う。今は即時に予約できるシステムが便利だと思った。電話は苦手で、それなら家買うのをあきらめてもいいとさえ思ってしまう。ネットなら席の空き状況もリアルタイムで表示していることもある。10時、13時、15時と書いてあったので、今週の日曜の10時で予約した。出来たのかな?

終末の金曜に連絡が入る。営業の人からだった。「ご来場の確認です。」とのことで、「日曜のご予約ありがとうございます。その件ですが変更等は大丈夫ですか。」との短い会話だった。予約ができていることが分かって安心した。台風が来ているのでお気を付けくださいとのこと。

土曜日は特に何も用事がなかったが、日曜にアポイントがあったので買い物や洗濯などを早めに済ませた。台風が近づいている生ぬるいムラがある風が吹く。今干せば多分乾くだろう。

日曜日。窓を閉めたか確認!まだ雨は降っていない!遅れずに家を出る。多分台風は大丈夫だろう。金曜に電話が来て来場の確認をされているので、行かないわけにはいかない気がした。自分で「大丈夫です、行きます」と言ってしまうと弱い。-A

駅の反対側まで歩いた。きれいな建物ができていた。昨日が初オープン日だったようだ。すでに2組くらい来ていてベビーカーが見えた。若い夫婦だろう。もう一方は年配に思えた。もしかしてお隣さんになる可能性のある人の顔が見たくて仕方なかったが見えなかった。

10時になると席はもう一杯になっていた。「予約しなかったら入れなかったね。」と話しながら、出されたコーヒーに手を伸ばす。アンケートをご記入くださいという紙があるのでそれを書いた。妻は美容室と同じ感覚なのであまり抵抗感はなかった。

~アンケート~

①今日は何を見てお越しくださいましたか?・・・通りがかり

②新聞は何をご購読していますか?・・・・・読んでいない

③当社のことはご存じですか?・・・・知りません(すいません)

(④ご年収、自己資金、ご予算はおいくらですか?・・・・   ?

⑤間取りのご希望は何㎡、何LDKですか?・・・・3LDK!

⑥ほかにご見学になられたマンションはどこですか?・・・・初めてです

いろいろ質問が並ぶ。面倒くさいので全部は書かなかった。会社名はどうしても

書く気になれなかった。予算というのが一番書きづらいところで、 空白で提出した。

アンケートを書き終わる頃に背後に人の気配を感じ、受付の人が回収して回った。

その後、5分くらい待たされて、卓上のマップにも飽きてきた頃に、40代くらいの営業

マンがやってきた。この瞬間が人生を左右する大きな出会いだった!

続く。

また考察していこう。本日は一つだけ。

A-人は、自ら話したことは守らなければならないという「一貫性の法則」がある。

言われたことは断りやすいが、言ったことと言わされたことには縛られてしまう。

断りづらく押し切られて家を買う人は多いと思われる。

買いたくないのに印鑑を押してしまった。と聞くとナゼ?と思うが、

うまく追い詰められてしまっている場合がある。断り文句のつもりで放った

「あともう少しこうだったらほしかったのに」

「〇〇万以下だったら買いたかった」

「駐車場が確保出来たらぜひ買いたいのに・・」というやんわりとした「いなし」を

すると思うが、「仮に安かったら/駐車場が入ればご購入いただけたのですね・・」

と残念な顔して、油断した後に、「OO円値引きします/特別に一台確保します」と

「上司に掛け合ってなんとか頑張りました」という演技で「購入して頂けますね!」

と満面の笑みで調印させにかかる。この能天気営業マン、本当は頭が良い。

この場合、元々は断り文句だった点がポイント。もっと不可能な断りをしないとひっくり

返されてしまう。断り文句だということは営業マンも100も承知で、値引きもこれくらい

できることは上司に聞かなくてもできるに決まっている場合が多い。いったん悲しそうな

顔をして、もうお別れというところから逆襲が始まる。言わばここからが営業といわれ

ているところ。覚えておいてほしい。

教訓:

ひっくり返されないきっぱりした断り文句を心がける。

できれば一つあらかじめ用意しておく。

例1 (親のせい)

「親が実は大反対していて困っている」・・親を呼んでくれとは言われるが来させない。

例2 (購入不可能 買い物依存症を装う)

「実は買い物好きでカードを止められているんですよね」・・その後は冷たく帰される。

例3(夫婦喧嘩)

「妻は絶対一戸建て派だから朝から一言も話さないんです」・・やな女だなと思われる。

最初に言ってしまうとだめ。いざ買いたくなっても向こうからお断りで

売ってくれない。冷たく「お帰りください」と言われる。

気に入らない、絶対に買うことはないと確信したら使いましょう。

家を買いに来たことを忘れて、買わされないようにとばかり考えるのは間違いです。

次回、アンケートに対する質疑応答について。

第三章:耳慣れない専門用語の説明。物件概要の見方。

簡易パンフレットを手にした二人。モデルルームに行くことを少しためらっている。虎穴に入らずんば虎子を得ず。行かなきゃ始まらない。その前に出来るだけ知識武装しておきたい。いいように丸め込まれないために。ーA

A:不動産の広告の最後にある小さな文字。ここには重要な事実が書いてある。嘘や偽りは書けない。どのようなことが書かれているか、読めば少しは分かる内容だが読む気も起きないように書いてある。そこをあえて説明、注意喚起しておく。

☆「第一期予告」 第一期などと、期でいくつかに分けられていることが多い。50戸のマンションを一度に売ると50人の営業マンと50テーブルの大きな会場が必要だが、仮にそれを10期に分けると5戸のマンションを10回販売することになる。そうすれば営業5人と5テーブルで済む。期分けというのは販売サイドの効率性のために必要なものだ。そして「予告」というのは、近いうち始まるが、今回いくつ販売するかまだ決まってない。価格も決まっていない。でもいつ販売するか先に宣伝しておきたい。などという場合の広告物。決まったら価格を明示した本告(予告があれば必ず本告をしなければならない)チラシを再度折り込んで広告する。ここで間違いやすい例を一つ。’第三期が来月OO月OO日からOPEN。’という場合。じゃあ今日はオープン前だから開いてないの?というとCLOSEしているわけではない。第二期を継続して販売している。オープンと書かれているからまだやってない気がするが、大体は開いている。最終期では、ぐずぐずしていると完売御礼ということもあるので気が向いたら早く行った方がいい。

☆建蔽率 容積率について:これは不動産ならではの文言。建蔽率(けんぺいりつと読む)は大体50%~100% 容積率(ようせきりつと読む)は200%~400%あたりが多いと思うが、新宿の都庁のあたりは1000%くらいまであった気がする。建蔽率については、その土地に対して、何%まで建物が建てられるかを示しており、地域ごとに制限が決められている。雑に説明すると、建物の上からライトを当てて陰になる部分が、敷地全体の何%までは大丈夫ですよということ。戸建てであれば50%とすると、建物は持っている土地の半分しか建てることができない。建てられない部分には庭や駐車場がある。庭にもう一軒建ててしまうと建蔽率が跳ね上がり違法建築になってしまう。そして「容積率」は、その土地の何倍の面積まで建てられるかということ。1階部分の土地が仮に100㎡だとすると容積率200%の場合、床面積を200㎡まで建てられるということになる。ただし、建蔽率が50%だとすれば100㎡のうち50㎡までしか1階の床面積が取れないため、4階建てにして50×4=200㎡ということで4階まで建てた床の面積の合計で容積率いっぱいになる。他にも容積対象面積だの法廷延床面積だの細かい部分が書いてあるが、知らなくとも影響は少ないので割愛する。

☆用途地域について:第一種中高層住居専用地域など。用途地域というものが(市街化地域には)定められている。比較的前の方に〇〇地域と書いてある。大きく分けると3種類、小さく分けると10種類以上ある。大きくは商業系地域/住居系地域/工業系地域。商業系地域は主に駅前の高い建物が密集しているところなどに多い。住宅としては背の高い駅近マンションは商業地域に多いと考えられる。住環境について優先的ではないので、隣が夜までキラキラした深夜営業のスナックだったり、ビルが至近距離で建ち、日照が阻害されてしまう可能性があるところがデメリット。住宅系の地域とは、代表的には戸建ての住宅街など。風俗やギャンブル、キャバレーなどの用途が制限されており、建てられない。日当たりを守りながらお互いに建てるという日影規制により住環境が守られている。そして工業系地域は主に町工場から重化学コンビナートまで様々だが、主に工場などを建てるのに適した場所である。住宅にはあまり適さない土地。とはいえ、昔は工場街だったが今は住宅街に様変わりしているとなれば住環境はいいと思うので、準工業地域などと書かれていても周りが家だらけであれば住宅地域とさほど変わりないと考えて差し支えない。実態がどうかが大事。

☆徒歩分数:〇〇駅徒歩9分など。80mで1分と決められており全国共通。道のりで720m駅から離れていれば9分。極端な例、徒歩1mも80mも徒歩1分。81mは2分。

☆ローン概要:〇〇銀行 金利変動で0.42%。35年まで、1億円までなどと書き連ねてある。こちらはローンの章で詳しく説明したい。変動金利は35年間金利が変化するもの、対称的に固定金利は35年間一定の金利で変動のないもの。である。固定金利の方が安心だが、そもそも金利が高く設定されている。固定金利は、引き渡しの月の金利が適用になるので、タワーマンションを第一期で契約し、入居まで2年ありますなどという場合、2年後の固定金利の利率が適用になり、毎月固定金利の金利は変わるので、ドキドキである。引き渡しまで長い場合はリスクにもなる。またローンの章でじっくり話す。

☆月々6万円台から!:「家賃と比べてください。月々6万の支払い」1LDKの家賃位で家が買えるのか!。などと書いてあるが落とし穴もある。チラシの細かい字を見ていると書いてある。月々69,999円のローン(管理費、修繕積立金、その他駐車場などは別)。管理費や修繕費などというものは建物によりまちまちだが、あるチラシを見たところ、3LDKのマンションで管理費13000円、修繕費6000円、駐車場が12000円、ネット1200円、町内会費200円とあった。合計32,400円が追加され、10万2399円が本当の支払い金額となる。6万円で家が手に入ると思って来たが、話を聞けば一番安い部屋で10万円というオチ。でも広告上69,999円は6万円台であり、虚偽広告には当たらないのでセーフなのである。さらに見ていくと、ボーナス払い15万などと書いてあったり、頭金398万円の場合などと初期投資額も結構入れる条件での6万円台だったりするので、惑わされてはいけない。同じ負担額でもこのようにボーナス併用と頭金をごっそり入れる条件であれば月々4万や5万~とも書けないことはない。そんなに甘い話はないという認識でいればOK。ちなみにマンションには管理費、修繕積立金というものがある。双方とも毎月支払う金額だが、前者は主に毎日かかる維持管理費のお金。後者は将来修理するときのために貯金しておくお金のこと。管理費は変わらないが、修繕積立金は10年、20年と徐々に上がっていき、6000円スタートでも30年後は20000円を超えるくらいに増額されると考えていてほしい。これは営業から購入する前に説明がある重要な項目なので、聞きたければ早い段階で見せてもらうのもいい。

以上、ワード説明でした。この言葉が分からない、文章が難解で理解できないなどの質問を承ります。

第二章:どんな家が欲しいかお互い知りましょう。

第二章 二人それぞれの思いを話し合おう。

第一章からの続き:資料請求を1社した隆と知子夫妻。とりあえず郵便が届くまで待機。

1社では心もとないと知子はその日の深夜に自分の名で2つ隣町のモデルルームも追加で資料請求を行っていた。特に惹かれたわけではなかったが、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。後悔しないために知っておこうという軽い感じだった。

2日目の午後、隆の携帯へ会議中に見覚えのないフリーダイヤルからの連絡があった。誰か想像がつかず出てみたら、その資料請求を行った営業マンからだった。確認の電話とお礼ということで、すぐ資料を送りますので中をご覧くださいとのこと。資料請求はちゃんとできていたんだなと少し安心する。丁寧な敬語で返し、会議中なので御免くださいと切る。

あくる日の午前中、知子の元に1件の不在着信がある。たぶんあの2件のどちらかだろうと思ったので掛けなおさなかった。その後はかかってくることはなかった。ーA

4日目にはもう三社分の資料が集まった。小さい封筒と、1社はA4サイズのビニール袋にいろいろ入っていた。未発売でこれから公開が2社、好評販売中が1社だった。販売中のところについてはモデルルームの写真や、実際の9階からの眺めの写真がプリントされたA4用紙が同封されていて、手紙も入っていた。妻は旦那の帰りは待てずに一人で開封していった。

女性の字で書かれた丁寧な直筆の手紙に「大変なのね」と少し同情しながら、一緒に入っていた手作り風のチラシを眺める。「この物件の特徴は駅から徒歩9分、そして住宅地域の日当たりのよい住環境、眺めも良いのが自慢です。‘’ぜひ一度ご見学にお越しください‘’」とある。この前掛かりな文章には思いがあふれていて、行ったら長時間捕まりそうな予感が漂うが、誠意がこもっていて悪くない印象だ。ーB

もう一つ同じ2つ隣駅のマンションは少し様子が違う。とてもゴージャスな封筒だ。開けると格好いい夜景の表紙が見えてくる。六本木か麻布のバーみたいなラウンジがあるようだ。規模が大きく総戸数300戸を超えている。高さは23階。駅から徒歩2分、ペデストリアンデッキ直結だそうだ。夫もいつの間にか帰ってきていて見ながら「ペストドリアン」とか怪しいフレーズをのたまっていたが、上げ足をとらずに本人が気づくまで待とうと思った。そのデッキとはネットで調べたら、駅を出てロータリーが上と下になっていて、よくあるのが下がバスで上が歩く人用のあれかと判明した。駅から地上に降りないのは確かに誇らしいなと思うが「どうせお高いんでしょう」。絶対目玉が飛び出る自信があるし、恥ずかしい思いをしてそそくさと退散する夫婦が浮かぶ。それに「ペストドリアン」とか隣で言い放たれたら・・。決めた。外から見てみるだけにしよう。ーC

さて、本命のわが町の駅の向こうのマンションはどうだろう。7階建て、50戸。庶民的で普通のマンションっぽい。目玉は飛び出なそうだな。と。価格は書いていない、その他未定未定未定。わかりません。お気軽にご連絡くださいと書いてあるので、大事なことからまずは「いくらですか」と聞いてみたい。来場プレゼントはおしゃれなグラスだった。グラスをもらってうなだれる夫婦。それはまた傷つく。ーD

夫婦でじっくり見たが、結局中身はスカスカで、結局行ってみないと何も進まないという結論に至る。「わざとそうゆう風に作っているよね」と話したあと、どうするか考えた。見に行かないと全く意味がないし、進まない。一生賃貸アパートに住む覚悟はないので、とりあえず一つ行ってみようかと話して、沈黙した。どこを見に行くか・・・。ーE

その前に、重要なことにはちゃんと気づいている。私たちは「どんな家が買いたいのか?」が決まっていないということだ。床屋に行ってもどんな髪型にしたいかくらいは当然考えてくる。短くしたいのか少し長めなのかくらいは小中学生でも答えらる。夫婦でわかりませんとか全然違うこと言ってたらまずいと思い、まずは家の方向性を話し合うことにした。ーF

カタログを3つ見た後なので、イメージは膨らむ。若干興奮気味に話が出てくる。夫は妻のインテリアのこだわりについて初めて知った。結構勉強してる。「寝室はプロヴァンス風で、リビングはブルックリンかパリみたいな感じ。そうそうイメージはあそこのパン屋の中みたいにしたい。この前、雨の日に肉買い忘れて傘なかった日あったでしょう、その時友達とすれ違ったじゃない、その友達の友達の友達の旦那がやっているパン屋なんだって。面識はないけど。」男としては雨が降っていたとか肉を買い忘れたのと友人の顔は全く覚えていないので、その前半部分の情報は全く必要ではないのだが、妻の脳内ではそういう風に記憶がしまわれているんだなと思った。パン屋はうっすらと記憶はある。分かった。あんなのね。あれは一戸建て風でこの3冊の中ではどれも違う気がするなあ。ーG

男としては、いずれ父親になる責任感も感じなければならないし、やはりローンのことや貯金の額、そして一生この会社で働くのか分からない。転勤もあるかもしれない。ボーナスが一時期半分にされたことがあり、景気に左右されないくらい余裕をもって住宅の予算は決まっていかないといけないと思う。妻に「予算的にはなんとなくだけど3500万位だったらいいな、でもヤフーで見てると建設費が上がり続けていて、値上っちゃって止まらないらいしよ。オリンピックがねあるからその後どうなるか景気動向の・・・」と話す。本当は4000万位は見ておかないと門前払いされそうで、そして4500万くらいまでは覚悟しないといけない気がしている。本番では金額を聞いたときにゆがんだ顔をしない練習をしないといけない。でも5800万位して、やっぱりあと5年は貯金を頑張ろうかと言っている自分たちも想像できる。引き際の美学も考えたくなる。ーH

以上、この夫婦の判断はいかがだったであろうか、各段落ごとに区切って考えていく。

Aからまた考察していく。まず「資料請求」をしたら連絡はよく掛かってくるので慣れましょう。営業マンとしてはまず嘘の電話でないことを確認。それから短い会話でいろいろな感度も試していると思う。内容は、資料は無事に届いているか、ちゃんと封を開けてみてくれているか。いっぱい請求して埋もれていないかなど。よくあるケースの一つに、妻だけ資料請求していて良く知っていて、旦那は全く存在も知らない。これだと真剣度は低いとみられる。「旦那に内緒で資料請求して、いまから予習してプレゼンするつもり」という奥様は多い。そしたら「必ず話してくださいね」と念を押すように言われると思う。感度、真剣度がそれで分かるとその後のアプローチ方法は変わってくるのではないか。営業マンの心理としては、来させて、あらかじめ準備して、対策したいので電話をかけてさりげなく前情報をつかんでおくのはとても有効なのだ。

Bについて。物件の良さを一言でまとめている。しっかりしたいい営業マンだと思うが、直筆の手紙から25歳前後の若い社員だと思われる。上司が後から出てきそうな予感。そしてあまり人気がない物件な空気を漂わせている。マンションは大体が青田売りといい、建設開始から完成までのあいだに完売していたい。9階からの眺めの写真があるということは完成しているがまだ販売しているということが少々怪しい。せっかく買うなら人気があった方がいい。不人気すぎるマンションは、新築の時から売れていないと街中の人が知っており、中古でも高値で売れないことがあるので、影響はあると思われる。それでも販売が長引くと「値引き」というものがついてくる可能性もあるので、やはり行って話を聞いてみないと分からない。決して電話で聞いて値引きは教えてくれないと考えていい。一筋縄でいかず、足を使わずには判断ができないところが難しく、そして面白い。

Cについて。恥ずかしいとか、予算とかけ離れているとか、営業マンとしてはそれほど何も思っていない。恥ずかしくて帰る人ばかり続出していたら営業側も高すぎることを恥じ、そんな値段で売ろうとしてすみませんと思っているはず。だから臆することなく行きましょう。ただなんだから。

D。誤り。電話で金額は聞けないと思っておいて〇。聞いちゃいけないわけではないが、逆質問で、あなたの年収、家族、自己資金、予算、いつまでに住み替えたいのか、家賃はとどんどん聞かれることでしょう。更に安くならないかと聞くと機嫌が悪くなるのでこれだけはやめましょう(関東圏のみ。関西圏の方には理解しづらいようで・・)。

E。正しい。大枠は分かるように、そして核心は行かなきゃ分からないようになっている。

F。この夫婦は正解。少しベクトルは合わせましょう。合わない部分があるので相談するのも◎。モデルルームで言い争う夫婦が一番みっともない。営業マンにつけいる隙や弱みをさらけ出しすぎるのは良くない。かといって夫婦で感覚が違うのが当たり前。男脳、女脳の違いがはっきり出るので、それを楽しむくらいのつもりで。G。男から見て、女ってこうかもしれない。違う女性も多いと思うが。それに対して一言「要するに・・」。

H。女から見た男像とは?前の話と繋がりなく、急に自分の考えを100%披露する。この場合はインテリアの話を少しでもかすめて話せたら人として成長の証。

第二章のまとめ:ここで話したかったのは、①夫婦仲良く話し合い、楽しく家探しをしましょう。②夫婦で考えが違うのが当たり前。ということでした。いちいち大きな声で威圧する旦那や、陰で不満ばかり言って直接言えない妻を見ていると、営業マンは「何しに来たの」と思っています。′家探しは楽しく’これが大事だと思いますが、眉間にしわを寄せてやって来る夫婦がたまにいます。仕事じゃないんだし、楽しくできることを苦しくされると、残るはただのメンドクサイ作業です。家を買うための書類などは多く(後述します)苦痛をともないます。この探し始めが一番楽しい時なのでぜひ楽しんで欲しいと願います。最後に、大事なことを言い忘れておりました。どんな家が欲しいかというのは果てしないテーマなので、主に3点の要所だけ押さえておいてほしいです。①立地・価格・間取について、そして②どんな家庭にしたいか③どこをゆずれない、どこは譲れる。など優先順位を。でした。つづく。

第一章:思い立ったら資料請求。旅の始まり準備編

隆は結婚したばかりの29歳。相手の知子は小学校からの幼馴染。去年式を挙げてハネムーンに行った時の写真をめくりながら考えていた。「式も挙げたし、旅行も行った。引っ越しもして落ち着いた。次は何をしようか。」と。妻も同じで何かしたくて仕方なかった。そこで友人が家を買ったという話を聞いてきて、その動機が「家賃が勿体ないから」ということで、とてもそのフレーズが気になっていた。借りたばかりだが家賃が95,000円。会社から補助が出ていてかなり助かってはいる。補助は3万円。考えたらそれでも65,000円は無駄に掛け捨てている。リクルートのマンション雑誌(SUUMO)がソファに置いてあり、家賃を払い続けるのは無駄と書いてある。ただ、2人とも家を探すにはどうしたらよいのかわからない。街の不動産屋に聞いてみようと思っていたが、雑誌を読むと無料相談できておススメ物件を紹介すると書いてある。無料だから行ってみるかと隆は思った。でも無料には罠があると妻は反対した。知子は「無理にどこか買わされそうになったら嫌だし・・・」と考える慎重な性格で、隆は流されやすいので、妻の言う通りネットやメールでのアプローチを選択した。-A

ポストに入っているチラシを見てメールで問い合わせてみるとか、通りがかりを装い、アポイントなしで急に行ってみるとも考えたがそれは断念した。チラシがポストに入っていなかった。いつも即捨てているチラシはイザというときなかなか見つからないものである。ーB

そこで、インターネットで探してみることにした。主なマンション探しサイトは東京近郊では4つほどあり、SUUMO、新築HOMES、YAHOO不動産、at homeが主なところだと分かった。各サイト、それぞれ出てくるマンションリストは若干ラインナップが違っている。隆夫婦が住んでいる街から近いエリア検索や、通勤沿線で絞れるのでとても便利である。最近は前後3駅では発売がなかった。ただ、「これから販売予定の物件特集」というページで、この駅の反対側の徒歩4分に来月から始まる計画があることを知った。ーC

駅の反対側はあまり行かないが、なんとなく雰囲気は分かる。通勤はほぼ同じか。スーパーが22時で閉まると思うのでマイナスだ。その代わり小学校は近い、保育園もある・・・。今のアパートを借りたばかりだからな、「住めば都」と云うけど慣れればすぐ好きになるだろうか。サイトのページの最後にある「資料請求」というボタンを押してみた。ーD

無料のカタログをもらうのにいろいろ入力しないといけない。氏名、電話番号、住所、家族数、・・予算・・・自己資金・・・。「これ必要なのか」と思うが、仕方ない。性格的にあまり個人情報をネットに書き込みたくない。「資料を送るには名前と住所は必要か。届かなかった時のために向こうも連絡したいときもあるか」と考えると必要な項目だった。予算は全くもって分からない。というかこちらが聞きたい。任意と書いてあったので空欄で送信した。一件で疲れた。ーE

3日後のポストに綺麗な封筒が届いていた。(仮称)ザ・レジデンス~と書いてある。妻が買い物から帰ってきてから開けてみた。中には小さなカラーの資料と、「優先案内会」のご案内という挨拶文が入っていた。「10月〇△日(土)より、資料請求を頂いた方のみに完全予約制で優先案内会を開催します。ぜひご予約ください。優先案内とは・・・。」早く行くといいことがあるらしい。金額とかはなにも書いていないし、販売戸数「未定」発売時期「2020年春予定」。人には連絡先や年収まで聞いて、予約制でアポイントを取らせ、こちらが知りたいことは何も明かさない。この辺のやり方がどうも慣れない。「いくらで売るのか分からずに予算がなんか客によく聞けるよな。」と妻に言う。「3500万の予算と書いたら、最低でも5000万からですフフフとか言われたら嫌よね。」なんて恥ずかしすぎると夫婦で盛り上がって、段々面白くなってきた。ーF

ここまでのストーリーを振り返り、この方向でいいのかをチェックしていきたいと思う。

ーAについて:まず、家を買おうかと思い立つタイミングとしてはほぼベスト。妻の友人が言っていた「家賃が勿体ない」についてはその通り。今29歳の二人が仮にずっと同じ賃貸に住み、会社からの借り上げ社宅の補助は40歳まで出るとする(そのような会社さんが比較的多いと思うので)。65000円×12か月×11年=858万円。引っ越し含め約900万ほどでしょう。900万払って40歳になって何も手にしていないことが痛い。家賃補助も年齢制限がある場合、95,000円を一生涯払うとなると、約50年×12か月×9.5万=なんと5700万円。61年も同じアパートに住むことは流石に現実的ではありませんが、どの家に住んでもどうやったって生きている限り幾らかの大きなお金はかかるでしょう。購入した場合は最大35年しか払わずに、あとは修繕と管理のお金だけでずっと住める。だから「家賃は勿体ない」という友人は正解です。

ーBについて:アポイントを取っていくのは常識。急を装って行っても席が埋まっていれば見られず帰ることになる。30歳前後でアポイントなしで来る人は珍しい。そのような人は毎回「神出鬼没」にやってくるが、営業マンから見ても奇妙に映る。変な人だと思われたくなければ予約していくべき。美容室と同じで、マンツーマンで数時間接客するためたまたま2時間予定がないということがない限り相手をするのは難しい。

ーC:正解。販売予定の物件ということは、まだ一つも売っていないし、急がなくてもまだスタートしないので心の準備もできる。まだ時間あるし後でもいいかは✘。

ーD:住所や電話番号等、いちいち入れるのは疲れるので、ページの下の方によくある「一緒に資料請求」というチェックボックスにチェックし、他の物件も一緒にとると楽。

-E:予算は分からない人のほうが多いので空欄でももちろん良い。予算感はモデルルームに行ってから徐々に分かるもので、それは数時間みっちり話を聞いてから最後に分かればいい。頑張って考えるより、教えてほしいと聞きに行く気持ちでOK。後の章で話すが、モデルルームでいろいろ聞かれるその8割はそのお客さんの本当の予算を出すための材料だと思っていい。何を聞いても「答えたくない」と黙秘権を使う人もたまにいるが、家を買いに来たのか、何がしたいのかわからないので困る。床屋にきて「髪は切られたくない。」といい、かといって帰らない人と同じで怖いです。

ーF:プレ販売期間というマンション販売ならではの独特なところに遭遇した。この後モデルルームに予約をして行ってみると、まだ価格は決まっていませんと言われることがある。<値段が分からないなら意味ないじゃん。準備できてから呼んで!>と思う気持ちも分かるが、部屋を見たり、立地の説明をしたり、予算を一緒に考えているうちに3週間ほどで価格が決まってくる(もっと時間がかかる場合もあるが)。そして、金額が決まると今度はどんどん申込み(お客さんからのこの部屋を買いますという書類)が入り、部屋は埋まってきてしまう。この(プレ販売期間)はまだ部屋は一つも売らないので、焦らずじっくり考えられる助走期間と考えよう。マラソンを走る前の日に、スタート地点はどこで、何キロ走り、どのコースを回るのか、給水ポイントはどこかなどを確認する感覚。もし初日から売っていますとなると、買いたい人はワゴンセールの早い者勝ちの奪い合いになり、なくなっていく部屋を見て焦り、欲しくもない変な部屋を買ってしまう可能性がある。昔公団の団地の部屋の倍率は10倍を優に超えていたというが、誰もが泣くことがないようにするため。この独特な販売方法がこの先も出てくるので、慣れていくしかない。

マンション探しの方法としてまず一歩目を踏み出したので、次は実際に足を運んで見てみようということになる。ただ昨今の傾向として多いケースが先に資料を集め吟味し、家を出る前にまず数を絞って見学予約をする方がとても多いと感じる。一件見学して終わると半日くらいかかるので、一日に3件も予約を入れてしまったりすることはお勧めできない。一通りの話を聞き終えると脳みそが持たず、3件終わると1件目について覚えていないということになりがち。当初は覚えていられないほどの情報を貰える。資料請求は3件くらいは一緒にと考えるが、2日に分けて見学すればいいと思う。そして1件につき約2時間はかかるので次のアポイントについては(昼ご飯などは除き)移動時間を含め3時間は最低あけることが望ましい。そうするとやはり2件までがいい。乳幼児を連れて見学であれば一日1件にしたほうがいい。ひっぱり回されている幼児を見るたびに思う。

次の章では資料の見方を。その次の章で「こんな家が欲しい」というイメージを共有しようという話を。その次にようやく「モデルルームを予約して行ってみよう」の3本を予定しております。

vol.0 家探しとは何か。

2019年9月 猛烈な勢いの台風15号が関東地方を襲う。鉄塔が強風で倒れ、千葉県は広範囲で長い期間停電に見舞われている。家が風で粉々になり、携帯電話もつながらない。被害が大きすぎてニュースなどでも伝わってこない。電気が通電すると、壊れた家が火災になったようだ。通電火災。自分の実家を案じた。

台風で鉄塔が倒れると、インフラがほぼ壊滅。水も、食料も、ガスもなくなってしまう。ガソリンスタンドも2週間開かず、車も使い物にならない。台風一過の晴れ間は30℃を超す真夏日を呼び戻し、エアコンの効かない病院では熱中症で死者も出てしまったそんな故郷をテレビで見ながら、「一生を無事に過ごすこと」の難しさを漠然と感じていた。未来の子供たちへ負担をなるべくかけたくない。それでもこの被災地のように災害で大きく被害を受ければ、一生のプランは瞬く間に崩れてしまう。家を建て替えようとするならば大きな借金を抱えることになる。何が起こるかわからないから、備えても備えても足りない。当初は住宅を購入する方法を伝えるサイトを立ち上げようとしていたが、もう一つ大きなカテゴリーで考えなければいけないと感じた。「家を買う」ではなく、安定した生活を最後まで続けるためにどうしたらいいか。人生を設計する上で、やや大きなウエイトを占める住宅購入を中心に据えながら、お墓を買うお金まで含めた内容で10数章に分けてお伝えしていきたいと思う。この記事を書いている2019年は変化の年で春より「令和元年」になり、秋には消費税が8%から10%になる。10%の増税になると住宅ローン控除や住宅資金贈与等について大きな改正もある。確定したら取り上げていきたい。住宅購入からは少し逸れるが、毎月のローンの返済の話と同時に出てくることも多くなったiDecoやつみたてNISAなど、耳にする機会が増えてきているので、そのメリットや注意点にも切り込んでいきたいと思う。この記事の目的はというと、家を買いたいと思い始める頃からのライフデザイン(人生設計)を間違えないようにしてもらいたいということ。その時の住宅の買い方、タイミングによって大きく老後に影響するからじっくり考えてほしい。そして住宅購入の「予算」をしっかり把握できること、これが老後の貯蓄などの計画に余裕を与えると信じており、若いうちの準備がそのあとの老後を考えるための余地となる。誰もその「家を買う予算」がさっぱりわからないので、会社の同僚がいくらの家を買ったなどという情報から、漠然と「予算感」をもとに五里霧中のなかを走ってしまう。これが正しい家探しなのか。予算なんかその家庭それぞれ違うもの、親と子でも分からないことなので、個別で相談していくしか方法はないと思われる。住宅探しの一歩はまず「予算探し」と言って過言ではないのである。

第一章に住宅購入の仕方

第二章で老後の資金のため方

大きくはこのような構成で生きたいと思います。自分の予算、自分のタイミング、自分の人生のデザインをよく意識していきましょう。右や左の友人や同僚を見てもあまり参考になりません。ということで、20代中盤から40歳くらいまでの方をターゲットとした話で進めていきたいと思います。長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

はじめに

このブログを通じ、令和の時代に住宅を購入する勇気をもった人々へ、一助になれば幸いです。住宅を買うまでは、間違いや偏見から行き詰ってしまうことが多々見受けられます。少しでも迷いを減らせると楽しい時間が過ごせると思います。

家を買うことはいいことです。

むしろ自分の将来のために必要なことです。

子供がとても喜びます。

贅沢じゃありません。

年を取るとローンが大変になり、買いたくても買えなくなります。

さて、みなさん「根拠のないブレーキ」を思い切り踏みながらモデルルームだけ見せてほしいとやってきます。営業マンにも「買わされないぞ」とファイティングポーズをとり、果たして買いたくて来ているのか買いたくないのかさえ分かりません。そのブレーキは何のためですか?大きなお買い物ですから分かります。ただ、お買い物を楽しみましょうということが重要だと申し上げているのです。同じ作業でも楽しくもなれば苦しくもなるものです。無理やり買わされたということはこの令和の時代、そうそうありません。