第二章:どんな家が欲しいかお互い知りましょう。

第二章 二人それぞれの思いを話し合おう。

第一章からの続き:資料請求を1社した隆と知子夫妻。とりあえず郵便が届くまで待機。

1社では心もとないと知子はその日の深夜に自分の名で2つ隣町のモデルルームも追加で資料請求を行っていた。特に惹かれたわけではなかったが、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。後悔しないために知っておこうという軽い感じだった。

2日目の午後、隆の携帯へ会議中に見覚えのないフリーダイヤルからの連絡があった。誰か想像がつかず出てみたら、その資料請求を行った営業マンからだった。確認の電話とお礼ということで、すぐ資料を送りますので中をご覧くださいとのこと。資料請求はちゃんとできていたんだなと少し安心する。丁寧な敬語で返し、会議中なので御免くださいと切る。

あくる日の午前中、知子の元に1件の不在着信がある。たぶんあの2件のどちらかだろうと思ったので掛けなおさなかった。その後はかかってくることはなかった。ーA

4日目にはもう三社分の資料が集まった。小さい封筒と、1社はA4サイズのビニール袋にいろいろ入っていた。未発売でこれから公開が2社、好評販売中が1社だった。販売中のところについてはモデルルームの写真や、実際の9階からの眺めの写真がプリントされたA4用紙が同封されていて、手紙も入っていた。妻は旦那の帰りは待てずに一人で開封していった。

女性の字で書かれた丁寧な直筆の手紙に「大変なのね」と少し同情しながら、一緒に入っていた手作り風のチラシを眺める。「この物件の特徴は駅から徒歩9分、そして住宅地域の日当たりのよい住環境、眺めも良いのが自慢です。‘’ぜひ一度ご見学にお越しください‘’」とある。この前掛かりな文章には思いがあふれていて、行ったら長時間捕まりそうな予感が漂うが、誠意がこもっていて悪くない印象だ。ーB

もう一つ同じ2つ隣駅のマンションは少し様子が違う。とてもゴージャスな封筒だ。開けると格好いい夜景の表紙が見えてくる。六本木か麻布のバーみたいなラウンジがあるようだ。規模が大きく総戸数300戸を超えている。高さは23階。駅から徒歩2分、ペデストリアンデッキ直結だそうだ。夫もいつの間にか帰ってきていて見ながら「ペストドリアン」とか怪しいフレーズをのたまっていたが、上げ足をとらずに本人が気づくまで待とうと思った。そのデッキとはネットで調べたら、駅を出てロータリーが上と下になっていて、よくあるのが下がバスで上が歩く人用のあれかと判明した。駅から地上に降りないのは確かに誇らしいなと思うが「どうせお高いんでしょう」。絶対目玉が飛び出る自信があるし、恥ずかしい思いをしてそそくさと退散する夫婦が浮かぶ。それに「ペストドリアン」とか隣で言い放たれたら・・。決めた。外から見てみるだけにしよう。ーC

さて、本命のわが町の駅の向こうのマンションはどうだろう。7階建て、50戸。庶民的で普通のマンションっぽい。目玉は飛び出なそうだな。と。価格は書いていない、その他未定未定未定。わかりません。お気軽にご連絡くださいと書いてあるので、大事なことからまずは「いくらですか」と聞いてみたい。来場プレゼントはおしゃれなグラスだった。グラスをもらってうなだれる夫婦。それはまた傷つく。ーD

夫婦でじっくり見たが、結局中身はスカスカで、結局行ってみないと何も進まないという結論に至る。「わざとそうゆう風に作っているよね」と話したあと、どうするか考えた。見に行かないと全く意味がないし、進まない。一生賃貸アパートに住む覚悟はないので、とりあえず一つ行ってみようかと話して、沈黙した。どこを見に行くか・・・。ーE

その前に、重要なことにはちゃんと気づいている。私たちは「どんな家が買いたいのか?」が決まっていないということだ。床屋に行ってもどんな髪型にしたいかくらいは当然考えてくる。短くしたいのか少し長めなのかくらいは小中学生でも答えらる。夫婦でわかりませんとか全然違うこと言ってたらまずいと思い、まずは家の方向性を話し合うことにした。ーF

カタログを3つ見た後なので、イメージは膨らむ。若干興奮気味に話が出てくる。夫は妻のインテリアのこだわりについて初めて知った。結構勉強してる。「寝室はプロヴァンス風で、リビングはブルックリンかパリみたいな感じ。そうそうイメージはあそこのパン屋の中みたいにしたい。この前、雨の日に肉買い忘れて傘なかった日あったでしょう、その時友達とすれ違ったじゃない、その友達の友達の友達の旦那がやっているパン屋なんだって。面識はないけど。」男としては雨が降っていたとか肉を買い忘れたのと友人の顔は全く覚えていないので、その前半部分の情報は全く必要ではないのだが、妻の脳内ではそういう風に記憶がしまわれているんだなと思った。パン屋はうっすらと記憶はある。分かった。あんなのね。あれは一戸建て風でこの3冊の中ではどれも違う気がするなあ。ーG

男としては、いずれ父親になる責任感も感じなければならないし、やはりローンのことや貯金の額、そして一生この会社で働くのか分からない。転勤もあるかもしれない。ボーナスが一時期半分にされたことがあり、景気に左右されないくらい余裕をもって住宅の予算は決まっていかないといけないと思う。妻に「予算的にはなんとなくだけど3500万位だったらいいな、でもヤフーで見てると建設費が上がり続けていて、値上っちゃって止まらないらいしよ。オリンピックがねあるからその後どうなるか景気動向の・・・」と話す。本当は4000万位は見ておかないと門前払いされそうで、そして4500万くらいまでは覚悟しないといけない気がしている。本番では金額を聞いたときにゆがんだ顔をしない練習をしないといけない。でも5800万位して、やっぱりあと5年は貯金を頑張ろうかと言っている自分たちも想像できる。引き際の美学も考えたくなる。ーH

以上、この夫婦の判断はいかがだったであろうか、各段落ごとに区切って考えていく。

Aからまた考察していく。まず「資料請求」をしたら連絡はよく掛かってくるので慣れましょう。営業マンとしてはまず嘘の電話でないことを確認。それから短い会話でいろいろな感度も試していると思う。内容は、資料は無事に届いているか、ちゃんと封を開けてみてくれているか。いっぱい請求して埋もれていないかなど。よくあるケースの一つに、妻だけ資料請求していて良く知っていて、旦那は全く存在も知らない。これだと真剣度は低いとみられる。「旦那に内緒で資料請求して、いまから予習してプレゼンするつもり」という奥様は多い。そしたら「必ず話してくださいね」と念を押すように言われると思う。感度、真剣度がそれで分かるとその後のアプローチ方法は変わってくるのではないか。営業マンの心理としては、来させて、あらかじめ準備して、対策したいので電話をかけてさりげなく前情報をつかんでおくのはとても有効なのだ。

Bについて。物件の良さを一言でまとめている。しっかりしたいい営業マンだと思うが、直筆の手紙から25歳前後の若い社員だと思われる。上司が後から出てきそうな予感。そしてあまり人気がない物件な空気を漂わせている。マンションは大体が青田売りといい、建設開始から完成までのあいだに完売していたい。9階からの眺めの写真があるということは完成しているがまだ販売しているということが少々怪しい。せっかく買うなら人気があった方がいい。不人気すぎるマンションは、新築の時から売れていないと街中の人が知っており、中古でも高値で売れないことがあるので、影響はあると思われる。それでも販売が長引くと「値引き」というものがついてくる可能性もあるので、やはり行って話を聞いてみないと分からない。決して電話で聞いて値引きは教えてくれないと考えていい。一筋縄でいかず、足を使わずには判断ができないところが難しく、そして面白い。

Cについて。恥ずかしいとか、予算とかけ離れているとか、営業マンとしてはそれほど何も思っていない。恥ずかしくて帰る人ばかり続出していたら営業側も高すぎることを恥じ、そんな値段で売ろうとしてすみませんと思っているはず。だから臆することなく行きましょう。ただなんだから。

D。誤り。電話で金額は聞けないと思っておいて〇。聞いちゃいけないわけではないが、逆質問で、あなたの年収、家族、自己資金、予算、いつまでに住み替えたいのか、家賃はとどんどん聞かれることでしょう。更に安くならないかと聞くと機嫌が悪くなるのでこれだけはやめましょう(関東圏のみ。関西圏の方には理解しづらいようで・・)。

E。正しい。大枠は分かるように、そして核心は行かなきゃ分からないようになっている。

F。この夫婦は正解。少しベクトルは合わせましょう。合わない部分があるので相談するのも◎。モデルルームで言い争う夫婦が一番みっともない。営業マンにつけいる隙や弱みをさらけ出しすぎるのは良くない。かといって夫婦で感覚が違うのが当たり前。男脳、女脳の違いがはっきり出るので、それを楽しむくらいのつもりで。G。男から見て、女ってこうかもしれない。違う女性も多いと思うが。それに対して一言「要するに・・」。

H。女から見た男像とは?前の話と繋がりなく、急に自分の考えを100%披露する。この場合はインテリアの話を少しでもかすめて話せたら人として成長の証。

第二章のまとめ:ここで話したかったのは、①夫婦仲良く話し合い、楽しく家探しをしましょう。②夫婦で考えが違うのが当たり前。ということでした。いちいち大きな声で威圧する旦那や、陰で不満ばかり言って直接言えない妻を見ていると、営業マンは「何しに来たの」と思っています。′家探しは楽しく’これが大事だと思いますが、眉間にしわを寄せてやって来る夫婦がたまにいます。仕事じゃないんだし、楽しくできることを苦しくされると、残るはただのメンドクサイ作業です。家を買うための書類などは多く(後述します)苦痛をともないます。この探し始めが一番楽しい時なのでぜひ楽しんで欲しいと願います。最後に、大事なことを言い忘れておりました。どんな家が欲しいかというのは果てしないテーマなので、主に3点の要所だけ押さえておいてほしいです。①立地・価格・間取について、そして②どんな家庭にしたいか③どこをゆずれない、どこは譲れる。など優先順位を。でした。つづく。

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