第十二章 ファイナンシャルプランニング相談会の様子 =input編=

 前日の雨は止み、すっかり晴れた土曜の早朝。持ち物を確認しながら急いで家を出る二人の姿があった。

一週間が経ち、同じモデルルームへ向かう隆と知子。仕事よりも時間厳守で、持ち物も確認し、先週よりしっかりした服装で出かけた。

ファイナンシャルプランナーの「先生」と聞くと、とても偉い人が来るのではないか。失礼が無いようにと思っていた。しかも無料なので。

着くとまず先週の営業マンから話があった。「FP相談ということで、ざっくばらんに家計の話とかをしてもらえればいいです。家を買うということに縛られず、どんな内容でも気軽に聞いてもらって結構です。家計の無駄についての話がためになったという意見が多いかなという印象です。話すことに詰まったらその辺を聞いてみていただけたらと思います。それではお呼びしてきます。」

「はじめまして、ファイナンシャルプラン相談の担当をさせていただきます〇〇生命の真田と申します。この度はご予約、ご用命いただきありがとうございます。一生懸命やらせていただきますので、よろしくお願いいたします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」背は190あるかな。がたいがいいなと思った。

「早速ですが、私の自己紹介をさせていただきましょう。東京都江戸川区生まれ、小岩周辺が庭でした。江戸川の土手でよく遊んでいました。伸び伸び育ち、今43歳です。子供は3人います。保育園と小学生です。趣味はサッカー観戦、ランニング、図書館で本を読むこと、子供と野球をすることです。今後の夢は80歳まで働きたいことで、それには何より健康でいるという目標をもって過ごしています。」

続けて「隆さんはどちらのご出身ですか?奥様は?出会いのきっかけは?お子さんはまだですね。夫婦共通の趣味などは?意見が合うことは?車は欲しいですか?将来の夢は?」など質問に答えているうちに、本日の話のテーマの話になった。今まで堅実に貯金してきたことは褒められたが、悲しいのは今後の夢や目標が出てこなかったこと。何のために貯金しているのか。今後どんな家庭にしたいのか答えに詰まった。つまらない夫婦に映ったことだろう。服装は格好つけても貯金が趣味ではつまらない人間だ。

 源泉徴収票や途中までつけていた家計簿などを出して見てもらった。家計の見直しだ。携帯代、光熱費はこんなもん、家賃は少し重い。洋服代はもう少し下げられる。外食はやや多い。旅行代は去年はかけすぎ(海外旅行)。保険は旦那が新入社員のときに入ったものがあり、25,000円ほどかけている。ちょっと顔をしかめた感じはした。妻は両親が生命保険に入ってくれていたのを引き継いでいるものがあるらしい。内容はよくわからない。それは今度持ってくるという宿題になった。

 「今後、お二人の人生がどんな方向へ向かうかによって、合う保険も変わり続けることになります。今加入している保険などは、その時は正しかったのですが、今は合わない保険かもしれません。間違った保険屋に良くない保険に入らされたわけではないんです。目指している方向が変わったから見直しをするということが正しい見方です。」

「例えばもし、住宅を購入したとすれば、基本は団体信用生命保険に入ります。家を買うと、保険が付いてきます。万が一のことがあり、ローンが払えなくなると、保険が下ります。ご主人様の死亡、高度障害で働けない、がん保険がついていればがんになったらローンの残額が0になります。内容はとにかく、家を買ったら生命保険の見直しです。必要以上の保険を減らすべきです。そうしますと、その分、ローンを払う方に回せるので、メリットは高いですから。ということで、今まで入っていた保険が悪だということではないですよね。家を買うと想定していなかったから勧められた保険だったわけです。」

「生活費がいくら。携帯代がいくら。お小遣いがいくら。賃貸がいくら。20万が貯金ですね。ちゃんと貯金していらっしゃるので何も間違った点はありません。奥様の収入をほとんど貯蓄に回すというのは正しいと思います。気になるのは、お金は使うために貯めるのです。何に使うのかが目的無く貯めるには限界があります。それでは有効に使う計画を立てていきましょう。3つあります。自分たちのため。子供のため。老後のため。老後の資金はある程度FIXできます。子供はできるか分からない。でもいると仮定しましょう。子供はお金がかかりますが、お金を生みます。結局将来頼ることができるのは実子です。持ちつ持たれつですから、子供は必ずしも支出だけではない。実感できて、今何かできるとすれば、自分たちの今からの資金計画をたてることです。楽しいこと、楽しくないこと、やらなきゃいけないこと。いろいろ洗いざらい出して、それでも老後まで大丈夫ということを可視化できれば安心です。例えば家にはいくらくらい予算をかけて大丈夫とか、車はいくらまで出せるとか、分かっていれば楽しくお買い物ができる。分からないと不安だらけで楽しくないです。老後を想像していたら、どんな買い物でも面白くないですよね。来週は私からの提案を持ってきます。旅行も、車も、教育費も、全部入れてどうなるか。そこで余ったところが旅行やレジャーの予算などです。もう少しそこを聞いてから、次回は来週の同じ時間でお待ちしております・・・」

 一回目は夢を語る話で終わった。2回目が楽しみだった。外食を減らすとか、電気代を節約するとか、携帯電話を安い会社に変えるとか、面倒なことも言われたが、そのうち2つくらいはやろうかなと思った隆だった。人間は年をとると人の助言に耳を傾けることができなくなるものだ。

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