第二十三章 重要事項説明(後半〜特記事項〜)

10分間の休憩を挟み、後半の1時間が始まった。

 思えば小学校から高校まで、毎日6時間目まで椅子に座って授業を聞いていられた事が信じられない。大人になると1時間半でも辛い。小学生でも座って聞いてられる2時間目までは我慢して頑張ろうと思った。

 上の空のうちに特記事項の説明が始まっていた。このマンションにまつわる説明事項が記されているという。

 「将来、自分の家の前に何か大きなものが建つ可能性もあります。その責任は負えません。」

 「将来、法律や条例の改正により、建て替えの際に今より小さいものしか建てられなくなる可能性もあります。3階建しか建てられない法律ができた。とかそういう類のものですが、その場合に弊社でその責は負えません。」

 「周りの環境が変わることはあります。電柱、電線など含め、充分に現地周辺をご確認の上ご判断ください。」

 聞いてて分かるのは、こういう事があり得ます、全て自己責任ですよという話が続くな。そう分かると、話の落下地点が読めてきて面白い。

 「上下階の音については、当事者同士で解決することになります。」

 「経年劣化についてはこちらはその責を負いません。」

 「駐車場内でのトラブル、事故等についてもその責を負いません。」

責任負いません関連が終わり、次はとても気になる話に入っていった。

①土壌について

 「以前、こちらには工場が一部建っていたので、土壌調査を実施しております。油、シアンが検出されましたので、ごっそり土を搬出して入れ替えております。こちらは売主の方で行っており、完了した報告書を受け取っております。

②地盤について

 「こちらの敷地は、地下23mに支持層がある極めて良好な地盤なので、その深さまで杭を10本打っております。現場造成杭(拡頭杭)を使用し、N値50以上の支持層にしっかり刺さっています。」

③液状化について

 「地下22mまで砂礫層などとなっており、液状化の可能性があります。ただ、可能性はあるものの、それによる地盤の低下の度合いは「軽微」です。これは層の中の水分が少なく、液状化しても地盤が下がる影響の度合いは低いということです。」

④ハザードマップについて

 「過去の台風、大雨により、こちらの敷地が浸水した履歴はありません。」

まあ、どこに行ってもなんらかのリスクはある訳で、運の問題だと思った。不安を口にしていたらいつまででも家も車も買えない。

 後半は管理の規約についてや、布団を外に干してはいけない。タバコは禁止、ベランダでも吸えない。大型の犬は飼えないなどの話だった。犯罪収益移転防止の話と反社会的な話などは興味深かった。

 質問タイムになり、杭について他のテーブルから質問が出ていた。N値というのはある一定の力で杭を叩いて、50回叩いてやっと刺さるという固さの値だという。拡頭杭については終わりと始まりが膨らんでいる釘のようなもので、抜けにくい構造だというような話だった気がする。杭は、地盤が沈んでも建物が沈んで傾かないように支える土台のようなもので、横に倒れないように釘の大きなもので刺して支えているというイメージとはチョット違う事がなんとなくわかった。

 重要事項説明というのはもっと専門的で難しいものだと思っていたが、十分分かる内容だし、それを噛み砕いて分かりやすく説明してもらえたので意外だった。楽しかった。もっと知りたくなった。質問すればよかった。

 「それでは席をそれぞれ移動していただいて、契約になります。早ければ30分前後くらいかと思います。担当者がそれぞれ付きますので、また質問等思い出す事がありましたら、担当者でも私でも、いつでもご連絡ください。ありがとうございました。」

 最後、声が枯れ気味の担当者さんありがとう。説明する方も真剣なんだという事が十分伝わる魂のこもった説明だったと思う。

 さあ契約だ。もう少し我慢。

続く

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